2019/05/31

保育園に入りやすい区はどこなのか。自分の住んでいる区は、他の区に比べて入りやすいのか。
これから保活をする方には気になることだと思います。今日は、厚生労働省が発表している待機児童数と、『保育力充実度チェック』(保育園を考える親の会)による入園決定率を基に、入りやすい区はどの区なのか、書いていきます。
待機児童数が少ないのは、千代田区、新宿区、港区
さっそくですが、厚生労働省が毎年4月に発表している待機児童数をみていきましょう。最も少ないのは千代田区。なんと0人!素晴らしい。
直近5年間は千代田区は23区の中で最も少ないです。次に少ないのは、新宿区。
昨年の2015年では、168人だったのが、今年は三分の一の58人。一概には言えないですが、区の待機児童対策がワークしていると言えます。
港区に関しては、直近3年は二桁人数なので、優秀な区と言えます。千代田区と港区をみて気づいたのですが、一人あたりの税収ランキングでトップ2なんですよね。
待機児童数と一人あたりの税収は、逆相関の関係になっている気がしております。(いや、渋谷区と目黒区が下のほうなので、関係ないかもしれない)
ちなみに、昨年の待機児童数ランキングはこちらの記事に書いております。
待機児童数の定義に注意すべき
ここで、待機児童数の定義の話をしておきます。厚生労働省が毎年発表してる待機児童数。誰をカウントしてるのか。そこに実はトラップがあります。
直感的には、「認可保育園に申し込みしたが、希望者が定員を上回ったため落選し、待機しているこどもの数」と考えるでしょう。
違います。
実は、その数から、色々な数字がひかれています。例えば、「やむなく費用の高い認可外に預けつつ、認可の空きを待っている」、「保護者がやむなく育児休業を延長して、認可の空きを待っている」(ただし自治体による)などです。
つまり、認可の空きを待っているすべてのこどもの数ではないということに注意が必要です。
「待機児童数ゼロ!」と謳っている自治体でも、実は潜在的に認可の空きを待っている人たちがいるかもしれません。ご注意いただければと思います。
現状、この潜在的な待機人数は統計が取れていないので、本記事では上記までの言及にとどめておきます。国はいち早く潜在的な待機児童数も統計にとるべきです。
入園決定率が高いのは、葛飾区、豊島区、板橋区、荒川区、品川区
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70%以上は、葛飾区(81.3%)、豊島区(80.7%)、板橋区(75.5%)、荒川区(72.6%)、品川区(70.4%)の5区でした。
こちらが本来の認可保育園の入りやすさと言って良いでしょう。もう一度書きますが、葛飾区、豊島区、板橋区、荒川区、品川区が認可保育園に比較的入りやすい区です。余談ですが、なぜ顔ぶれが変わるのか考えてみましょう。
まずひとつ目は、母数の違いです。待機児童数は絶対数であって、こどもの数が他の区に比べて、多ければ多いほど、やはり待機児童数は多く見えて(相対的に)しまいます。
ふたつめは、認可外が受け皿になっている可能性が高いということ。上記の定義に書きましたが、待機児童数には認可外に預けられている人は含まれていません。入
園決定率がさほど高くなく、待機児童数が少ない(ランキング上位の)港区は、特に認可外保育園が充実していて受け皿になっていると言えます。他にも理由はあるかと思いますが、この2つが大きな理由でしょう。
昨年の2015年からはどう変わったのか。たまたま2016年だけなのか。
昨年は、70%以上は、墨田区、荒川区、板橋区、葛飾区でした。
荒川区、板橋区、葛飾区の3区が同じですね。手元には2015年と2016年の2年分しかないのでなんとも言えませんが、上記の、荒川区と板橋区と葛飾区は、優秀ランクと言ってもいいかもしれません。2014年以前も取り寄せて調べてみます。昨年の入園決定率の詳細についてはこちらに書いてます。
総合的に入りやすいのは、千代田区、港区、新宿区
さて、これまでは認可保育園の数字についてだけ言及してきましたが、志向を変えて、認可外も含めた数字を見ていきます。
統計データがないので、前年と同様、仮に「保育園入園希望者数=認可保育園新規申込数」として考えます。95%以上は、千代田区、港区、新宿区、杉並区、葛飾区でした。
93.0〜94.9%内での区も多くあるので、それらの区も優秀と言えるでしょう。いまひとつなのが、90%以下の区です。荒川区、中野区、目黒区、中央区、渋谷区、台東区、世田谷区の7区です。
2015年では、こちらの記事に詳細を書いておりますが、95%以上が千代田区、杉並区、大田区、荒川区、練馬区、墨田区、文京区の7区でした。
結構入れ替わってますね。年によって上下することがわかります。
ただ、その中でも千代田区と杉並区は直近2年は優秀です。千代田区は毎年優秀だと言い切ってもいいかもしれません。
一方で90%を割っているのが、中野区、豊島区、台東区、目黒区、渋谷区、世田谷区の6区です。
やはり、目黒区、渋谷区、世田谷区の3区は酷い状況と言えるでしょう。その3区に住まれていて認可入園を目指していてこれから保活を始める方は、引越も視野に入れた方がいいと思います。(いや、これは冗談抜きです。ぼくは引っ越しました。)
自宅周りの保育園が、どこにどのくらいあるのかわからない方は、こちらのiPhoneアプリ(現状iPhoneのみです。ごめんなさい。)が便利です。注意していただきたいのは、毎年、数字は上下するということです。
現状、競争が比較的緩い区に住まれていても、来年はわかりません。
大事なのは、行動すること
大事なのは、早めに情報収集して、行動することです。
行動とは、0歳児で認可外に預けて点数を稼ぐ(できれば認可に預けたい)。
0歳4月認可入園を狙うために出産月を調整し、1,2,3月生まれは避ける。
引越をする。などなどです。
こんなこと書いていて本当に虚しくなってきます。馬鹿馬鹿しい。
なぜ社会復帰するために、出産月を調整しないといけないのか!引越をしないといけないのか!一刻もはやく解決することを願うばかりです。
ぼくは当事者なので、「いま」が大切であり、リアリストです。ですので、これから保活をする人に、「声をあげよう」なんていうアドバイスはできません。自分が行動する方が早い。そう思っています。
まとめ
- 認可保育園の入りやすい区は、葛飾区、豊島区、板橋区(年によって上下することに注意)。
- 認可外も含めた保育園の入りやすい区は、千代田区、港区、新宿区(同上)。
- 入りにくい区は、世田谷区、渋谷区、目黒区(毎年、落第レベルの悪さ)
- 世田谷区、渋谷区、目黒区に在住でこれから保活を始める方は、引越も視野に入れた方がよい。
- 競争率は毎年上下するので、前年の数字を過信せず、0歳から認可外に預けるなどして点数を稼いだり、情報収集したりして、早めに保活を始めるべき。
最後に、ぼくのつくったiPhoneアプリについて書かせて下さい。
保活ってかなーり大変。苦労についての詳細はこちらの記事に書いてありますが、何度も区役所に足を運んで、保育園情報を集めて、30件近くの保育園に足を運んで…。
そんな大変な保活を少しでもラクにしたいと思ってつくりました。自宅周りの保育園がどこにあるのかが、地図上に出てぱっと見てわかります。
歩いて何分かも表示されます。お気に入りも登録できて、優先順位もつけられます。入園申込するときに便利です。ぜひ使ってみて下さい。そして、必要な人にシェアしてあげてください。
当事者になってはじめて気づきましたが、保活って意外と大変なんです。よろしくお願いします。
コメント
[…] 出典:http://no-waiting.tokyo/2017/01/08/ward_nursery_ranking_2016/ […]
by 品川区の待機児童数は?実はそれよりも入園決定率の方が重要? – これから住みたい街<大崎> 2017年5月7日 1:40 PM
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by 保育園に入りやすいのはどこ?上位3区は75%超え。入園決定率ランキング【2017年度版】 | 東京保活 2017年12月6日 11:25 PM