2019/05/31

話題になったのは下記の記事ですね。
保育園落ちた日本死ね!!!
http://anond.hatelabo.jp/20160215171759
言葉は悪いですが、ぼくも同意見です。働きたいのに、働ける環境にない。子供産みたいのに産みやすい環境ではない。これは非常に問題だと思ってます。
解決するには、保育園だけでなく育児手当の充実等、様々な施策が必要ですが、この議論は他のサイトに任せるとして、本ブログでは、「このひどい環境をまずは受け入れて、どう行動するべきか」にフォーカスを当てて、書いていきたいと思います。
なぜこのブログを立ち上げたかというと、苦しむべきではない人が苦しんでる状況がどうしても耐えられないからです。知らなかったでは済まされない状況をどうにかしたい。
そもそも、声を上げてもすぐには政治や環境は変わらないです。ぼくはある意味悲観的で、政治には期待していません。
ひどい環境を変えるよりも自分が行動して、その環境の中で、うまく立ちまわった方が絶対によい。そう考えています。もちろん声を上げることも同時にやっていかないといけませんが。
想定読者は、23区在住の保育園を探している人
さて、本ブログについての紹介をもう少し。想定している読者は、下記です。
23区在住の、保育園を探してる人。子供を生んだ後、同じ仕事を続ける予定の人。
です。
これから子どもを産む人、すでに産んだ人、どちらにも有用な情報を載せたいと思っております。
ただし、現段階では、保育園の一次情報は、渋谷区、目黒区、港区、品川区の4区の情報しか集まってないので、その点ご了承いただけると幸いです。※ただしニーズがあれば拡充していきます。
また、エリアにもよりますが23区外のほうが競争が緩いので、職場から離れてもよい、または、場所に依存している仕事でないのであれば、競争を避けて23区外に出て子育てしたほうがよいと思っております。
なお、23区内でも比較的入りやすい区もあるという事実もこれから書いていきます。
行政へ。データをネットで公開してほしいです。
さて、ぼくも、保育園を探さないといけない状況になっており、保育園情報を集めております。色々調べた結果、酷い状況だということがわかりました。保育園の競争が激しいところは、非常に激しい。倍率が20倍以上というところもありました。
一方で、競争があまり激しくないエリアもあることもわかりました。それでいて、本当に問題なのは、それらの情報がネットにあがっていない。検索できない。テキストとして公開されていない。
ぼくは実際に区役所に出向いて、保育課の担当者に保育園の生の情報を聞いてきました。彼らは持っているのです、データを。どのエリアが入りやすくてどのエリアが入りにくいかを。
なぜネットに公開されていないのか、本当に疑問です。この点に強い憤りを感じています。この憤りがこのサイトを立ち上げた動機付けの一つにもなっています。
また、ネットに公開されている区ごとの「待機児童数」は、入りやすいかどうかの”正確な”判断指数にはなりません。
なぜなら母数が多ければ必然的に多くなるから。そして区によって換算方法が統一されていないから。なぜ、区ごとで基準がバラバラなのでしょうか。もはや憤りしか感じません。
また、待機児童数が多い区でも、入りにくいエリアと入りやすいエリアがある点も大事なことです。区は、換算基準を統一し、待機児童数だけでなく、入園決定率を公表してください。入園決定率のほうがよっぽど重要です。
目黒区の学芸大学エリアは4人のうち3人が落ちる
さっそくですが、生の数字を載せましょう。目黒区の認可保育園「平成27年4月利用申込状況」です。先月、目黒区役所に行って窓口でもらってきました。
大抵の人は、1歳4月入園希望だと思います。「1歳」の行を見てください。
[図2:目黒区の平成27年認可保育園マップ]
※平成27年4月のデータです。最新の平成28年4月入園申込データについては、来月までには公開されるでしょう。ただし、窓口で。
競争が熾烈なエリアをマーキングしてます。学芸大学駅の南側エリアですね。
ひもんやの三園、鷹番保育園、中央町保育園をそれぞれ抽出すると、下記のようになります。
[表: 学芸大学エリア5園の入所可能数、希望者合計、倍率]
保育園名 | 入所可能数 | 希望者合計 | 倍率 |
中央町 | 11 | 160 | 14.5倍 |
第二ひもんや | 5 | 168 | 33.6倍 |
ひもんや | 13 | 182 | 14倍 |
第三ひもんや | 6 | 163 | 27.2倍 |
鷹番 | 1 | 139 | 139倍 |
合計 | 36 | – | 45.6倍(平均) |
併願可能なので、希望者は重複しており、多くカウントされております。45人に1人しか入れないというわけではないです。
ただ、合計36枠を、おそらく150人前後が争うという状況です。実質倍率は4.2倍ですね。4人のうち3人が認可に入れないという悲劇のエリアです。おそらく0歳で認可外に預けても無理か、合否の当落線上かと推測されます。
このエリアほどの激戦区はなかなかないと思いますが、落選した人は認可外保育園等、他の選択肢を探すしかありません。
ちなみに、各世帯(夫婦)は「ステータスから導かれる点数」で競い合うので、第一希望といった希望順位付けは無意味なのです。共働き夫婦の「第二希望」と、奥さんがパート夫婦の「第一希望」では、共働き夫婦「第二希望」が優先されます。
また、「ステータスから導かれる点数」の話も少ししておきます。大抵の夫婦は、「週5の共働き」かつ「1年以上勤めている」というステータスですので、そこで横並びの点数になります。
目黒区ですと42点で横並び。渋谷区ですと44点で横並び。世田谷区は109点で横並び。点数の大きさは違いますが、どの区も横並びになるのは同じです。(なぜ点数の大きさが区によって違うのか。これも統一していただきたい。)
この「週5の共働きかつ1年以上勤めている」というステータスが、スタートライン=最低ラインです。奥さんがパートだったり、転職して3ヶ月以内、という夫婦はスタートラインにも立ててない状況で、大きなハンデを背負っています。
世田谷区の例になりますが、下記記事に詳しいです。機会があれば、ぼくも詳しく書きたいです。
世田谷区や都心23区で1歳の4月に保育園入園で預けるには実際に何をどうすればいいのか
http://www.tayutae.com/howto-enter-nursery/
(余談ですが、”ウルトラCの解決策が出来たので、なんとか大丈夫”と書いてありますが、そのウルトラCが気になりますね…)
で、学芸大学エリアの話に戻ります。入りやすいかどうかの判断指数は上記の表でもある程度わかりますが、「自分が入れるか」は書いてありません。自分が住んでいるエリアの保育園は入れそうなのか否か。これ重要。
ぼくの調べた4区のうち3区は、前年度における、各保育園の内定者のうち、合否ボーダーラインの点数情報を持っています(※)。
つまり、何点以上だったらその保育園に入れたか、の情報です。例えば、渋谷区の初台保育園でしたら44ptです(平成27年4月1歳入園)。45pt以上だったら入れた、ということがわかります。
このボーダーライン点数(仮にそう呼ばせていただきます)が最重要です。これを見たら、おおよそ、何点の人が、どのエリアなら入れる可能性が高いのか、もしくは、入れないのか、がわかります。
どこだったら自分が入れるのか事前に知りたくないですか。なぜネットに公開されてないんでしょうか。
※ただし目黒区は除きます。目黒区はそのような重要な情報を「集計していない」らしいです。。。
保育園に入りやすいエリアは荒川区、新宿区、足立区
入りやすいエリア・区はどこなんだ?という声が聞こえてきそうなので、それについても書きます。23区内で比較的入りやすい区は、荒川区、新宿区、足立区です。
→最新情報はこちらへ:保育園に入りやすいのはどこ?上位3区は75%超え。入園決定率ランキング
保育園を考える会(2014)によると、入園決定率は、荒川区86.3%、新宿区73.7%、足立区72.7%です。23区内で70%以上はこの3区しかありません。
なお、北区、墨田区、港区はデータなしです。ちなみに、ワースト3は、杉並区42.7%、世田谷区47.2%、目黒区48.8%です。
さて、こんな感じで、ネットに公開されていない情報をこのブログではまとめて参りたいと思います。
読者の中で、他の区についての情報ありましたら、コメント欄や、Twitter、メール(jissenka+hoiku★gmail.com ★を@に変えてください)で教えていただけたら幸いです。
最悪のシナリオ:損失は最大2200万円以上?
リスク(将来起こりうる損失の幅)についても書きたいと思います。お金の話です。
最悪のシナリオは、1歳認可落ち、認可外にもすべて落ち、奥さんが仕事やめるケースです。(ケース1)
例えば、共働きで世帯年収が500万+500万でトータルで1000万だとします。それが仕事やめて自分で育てるとなると、保育費が5万×12=60万/年だとすると、差分は440万です。5年間続くとして合計で約2200万です。
同じ年収でまた仕事を始められるとは限らないので、損失はもっと大きいです。子ども手当など無視している、極端な例なので、その点ご理解いただきたいのですが、それを差し引いたとしても、経済損失は大きいです。
ケース2としては、1歳認可落ち、認可外に預け続けて仕事を続けた場合です。一般的に認可外の方が保育費用は高いです。認可に比べ+5万/月とすると、年間60万の差です。5年間で300万円。これも小さくないです。
※区によっては、認可外との差分を補助する区もあります。
保育園に落選しないために必要なこと2つ
- 情報収集すること
- 早く行動すること
情報収集することは、これまで書いてきたとおり、どのエリアが入りやすいか/自分のエリアは入りやすいかどうかを調べることです。保活のiPhoneアプリもあります。これから本ブログで少しずつ体系的にまとめていきます。
ただし、矛盾するようですが、気をつけるべき点は、「一次情報を追うこと」「情報は陳腐化するので最新の情報を追うこと」です。
行動することとは何か。それは、(自分が住んでいるエリアが激戦区の場合は、)競争が比較的緩いエリアに引っ越すことです。
そして、0歳で認可外に預けることです。認可に預けられるなら認可に預けた方がよい。ぼくの知っている4区では0歳で預けることがもはや普通になりつつあります。
(0歳4月入園ためには産む時期が重要なんです。誕生月は12,1,2,3月を避けなければなりません..。本件については別途記事書きます)
—2017年3月追記—
そして、できるだけ早く認証保育園の見学会に参加することです。産んでからでは遅いです。
認証保育園は認可と違ってほとんどが早い者勝ちになっています。見学会に参加しないと申込できない園もあるので、いち早く見学会に参加してください。
—追記ここまで—
敷居が高いとわかっていますが、これ以外いまのところ考えられていないです。
さきほど、「点数で競い合う」と書きました。その点数をほかの人よりも稼ぐのもひとつのアイディアです。ですが、大抵の夫婦は無理だと思います。0歳認可外への受託で、+1点or2点はもはや普通になっている状況です。
激戦区ですと、0歳認可外受託のステータスでも、1歳4月入園落選の可能性が大いにありえます。(先の学芸大学エリアがそれ該当されるかと推測されます)
点数での競争の仕組みは、人間がつくった仕組みなので、システムにバグがあるのと同じで、抜け道はあるかと思いますが、おすすめはしません。
旦那の協力が不可欠
「競争しないのが最強の戦略」は誰の言葉だったでしょうか。それは正しいと思います。できれば競争は避けるべきです。
ですが、東京23区に住んでいる以上、競争は避けられないです。競争の中でいかに優位に立てるか、情報収集して行動に移すしかありません。これは椅子取りゲームです。悲しいことに椅子の配置は平等ではありません。
情報収集および保育園探しは、ぜひ旦那さんにも協力してもらってください。協力を仰ぐときは数字を見せるのが必須です。男は数字を見せられて初めて動きます。リスク(将来起こりうる損失の幅)を事前に最小化していきましょう。
最後に
できるだけ主観を除いて事実を書いていくつもりでしたが、最後に、少しだけ。何も生産しない無意味な競争が起きていることが、本当にやるせないです。できるならばこんなブログを書きたくないですし、世の中を前にすすめる仕事をしていきたいです。情報収集し行動しても、個人単位ではよいかもしれませんが、本質的な問題解決には至りません。何が問題なのか。どうあるべきか。
環境としては、保育園しかほぼ選択肢がないのが問題なので、他のベビーシッター等選択肢が増えることがあるべき姿。
国は認可保育園に補助金配るのをやめて保護者に直接配り、保護者が預ける選択肢が増えることがあるべき姿。
個人レベルでは、保育園に依存、東京に依存というのが問題なので、どこでも働けるポータブルスキルを身につけるのがあるべき姿。
会社としても、東京依存が問題なので、従業員に対して東京以外で働ける機会を提供するのがあるべき姿です。
他にもあるかもしれませんが思いつくのはこのあたりですね。
長くなりましたので、このあたりで筆を置きたいと思います。では、また。
コメント
[…] 東京23区で、保育園に落選しないために必要なこと2つ – 東京保活 […]
by 2016W07 | はせる 2016年2月25日 7:03 AM
足立区が入りやすいと本文に書いてありますが、間違いでは??
データからではなく、実際足立区で保活を行った友人によると、かなり厳しい状態だそうです。
by たまお 2016年4月1日 11:52 PM
>たまおさん
返信が大変遅くなり、申し訳ありません。
区全体で均したときに”他の区と比較して決定率が高い”んですよね。
ただ区の中でも厳しい地区はあると思います。実際に私が住んでいた地域は保育園の数が少なく、競争率が高いと感じました。
by tokyo_hokatsu 2016年12月20日 12:41 AM
23区纏める行動力、尊敬します!
認可外も含めての入園率の計算の仕方を教えて頂きたいです。仕事を辞めた人や仕事を探すのやめた人は入れていますか?
by きよかわ 2016年7月1日 7:34 PM
>きよかわさん
返信が遅くなり、申し訳ありません。
「保育園を考える親の会」が、「認可に入園申込をした児童数」を集計しており、その数を仮に保育を希望している母数(=分母)としております。
また、一方で、「東京都福祉保健局」が、「保育所等利用待機児童数」を集計しております。それを分子として、上記の保育希望者でわると、もちろん正確な数値ではないにせよ、最終的な、入園決定率を算出できると考えております。
詳しくはこちらに書いてます。(特にPart3)
http://no-waiting.tokyo/2016/03/20/do_not_choose_these_wards_for_dewks_part1/
http://no-waiting.tokyo/2016/03/20/do_not_choose_these_wards_for_dewks_part2/
http://no-waiting.tokyo/2016/03/21/do_not_choose_these_wards_for_dewks_part3/
by tokyo_hokatsu 2016年12月20日 12:56 AM